
フランス地方菓子紀行(4)西部編
1998年8月26日(木)<カンペール〜パリ>
いよいよ地方まわりは最終日。この日の夜はもうパリだ。カンペールはブルターニュの西端フィニステール県の中心都市。ステール川とオデ川が1つになって流れる静かな川のほとりにある。古くて美しい家並みが続く。そして職人芸の手描き陶器を生んだ街。民族的ないでたちの男女や草花を、青や黄色、薄紅色などで描いた伝統的な陶器である。私は買う気充分。まずは「Manoir
du Kinkiz」というシードル工場の見学。バスで迷いながら山道を走っていく。出迎えてくれたのは、6代目という素敵な女性。りんご畑が見渡せる庭でお話。シードルCidresは元々スペインで作られていたもので、こちらでは11haで25種類のりんごを栽培している。そのうちシードル用は10種類。りんごのタイプは、Douces(甘味)、Douces-Ameres(甘・苦味)、Ameres(苦味)、Acidules(酸味)の4つ。収穫には3ヶ月の季節労働者を頼む。落ちたりんごを拾い、水で洗ってプレス機で搾る。そのまま3時間おいて発酵させ、樽かステンレス槽で2〜3ヶ月熟成させ、アッサンブラージュし、瓶に詰めて2〜3ヶ月で出荷。年間5000本の生産量。アルコール度数は6度。この他にアルコール度数40度のオー・ド・ヴィー・ド・ポムと、果汁とオー・ド・ヴィーを合わせたポモーPommeau(アルコール17度)を生産する。ポモーはアペリティフとしてフォアグラと合わせると良いとか。価格はシードルが15FF、ポモーが69FF、オー・ド・ヴィーが120/160FF。全て試飲して、私はポモーを購入。
それからバスでカンペール近郊にあるという教会を探すが、なかなか見つからない。買い物をあせる我々は気が気でない。早く街に戻りましょうと、半ば強引に戻ってもらう。そしてカンペールの陶器製作所HBアンリオにバスは横付け。時間はたったの30分。まずは2級品を安く売るコーナーへ。が安いのか高いのかわからないので、正規品の方をチェック。そしてまた2級品の方へ。確かに安いが柄がいまいち。見学できるはずの工房はどうやら昼休み。美術館の方はお金がかかるのでやめてしまった。限られた時間で気持ちはあせるが、なかなか決められない。ようやく決めたのは大物1点買い。煮込み料理を入れる蓋のついた深皿(849FF)。蓋のつまみが洋梨でかわいい。存在感があるので、飾っておくだけでもいい。が、その後持ち歩きにかなり苦労した。他にお土産にとアルミの筆置きトレー(10FF)を3つ買う。店の並びにはお土産用のお菓子屋さんもあり、カンペールの模様の缶に入ったガレット・ブルトンヌやマドレーヌ、サブレなどを置いている。試食させてもらったが意外においしい。ここに海藻アイスなるものがあり、みんなで1つ買ってみる(10FF)。ほのかに昆布の味。
目的を果たし、やっと落ち着いたところでバスで町中に戻り、自由行動。ランチはやっぱりクレープ。ガイドブックにも載っている有名なクレープリー「Creperie
de La Place au Beurre:クレープリー・ド・ラ・プラス・オ・ブール」は満席だったが、せっかくだからと待つことにする。店内は狭いが、広場にもテーブルを並べている。お皿はもちろんカンペールの絵皿だ。しばらくして店内の席が空き、6人掛けの席に7人で収まった。頼んだガレットは、Complete(28FF)、Merguez(ホットソーセージをクレープで巻いたもの:17FF)、La
Soubise(白ワインでソテーした玉ねぎと卵:25FF)、La
Norvergienne(スモークサーモン、生クリーム、レモン:36FF)、それとサラダ。クレープは焼色をつけたりんご、カラメル、生クリーム(30FF)、甘いスクランブルエッグとオレンジマーマレード(32FF)。リンゴのクレープはおかわりするほどおいしかった。そしてシードル。以上で1人47FF。ここもカードで払わせてもらいました。相変わらず両替をしていない。2階のかなり旧式のお手洗いに行くと、横にキッチンがあり、軽目のおにいさんが陽気にクレープを焼いていた。ちょっとがっかり。

そして残された1時間あまりで市内観光、といきたいところだが、観光よりも買い物が優先となってしまった。屋台で売っていたLa
Torchette(10FF)という生地にヘーゼルナッツをのせて薄く焼いたものを買い、すぐ試食。しけったかわらせんべいのよう。あとは土産物屋まわり。絵画屋さんのウインドーでクレープを焼くベカシンちゃん(フランス人の女の子のキャラクター)の絵を見つけ、額付きで衝動買い。額が80FF、絵は35FF。あとフランスの地図のポスターなど25FFの絵を2点購入。また別の店にはカンペール焼きが色々とあり、無理して最初のところで買わなくても良かったのかと、少々後悔。ここでは絵柄のパターンのはがき2FF3枚を購入。カンペールのお皿のピンバッジは欲しかったのだけど、結構高かったのでやめにした。そしてあっという間に時間となってしまう。この日はTGVに乗るので集合時間に絶対遅れないでとF氏に念を押されていたのだ。無事17:21カンペール発の列車に乗り、パリへ。車内ではビール片手にパリでの作戦会議。といってもビール(14FF)はママと半分づつで我慢したのだけど。食事はパリについてからとろうということで、ここではパス。パリまでは4時間20分の長い旅。地方まわりのお菓子代は1人63FFだった。
パリ着22:20。ホテルはいつものサンジェムス。部屋についたのは11時少し前。相変わらず部屋は暗い。さすがにM嬢とAちゃんはお疲れ。ママと私も迷ったのだけど、お腹も少しすいていたので、ラストオーダーぎりぎりで裏の中華料理店に駆け込んだ。もやし焼きそば、チャーハンと青島ビールで47FF。もやしがしゃきしゃきでおいしかったなあ。